
- 場所:新宿K’s cinema
- 新宿区新宿3丁目35-13 SHOWWAKANビル3階
- 日時:2026年9月12日(土) 〜 10月16日(金)
- 配給:アダンソニア
- 宣伝・配給協力:ブライトホース・フィルム
- 協力:メダリオンメディア、仙元浩平
- デザイン:千葉健太郎
- 字幕(ステッペンウルフ):上條葉月
- 中面作品解説:村山匡一郎(D・J・K除く)

ミート・ザ・フィーブルズ
監督:ピーター・ジャクソン
出演:ドナ・エイカーステン、スチュアート・デヴニー
作品データ:ニュージーランド/1989年/97分/BD

コミック・ストリップ・ヒーロー
監督:アラン・ジェシュア
出演:ジャン=ピエール・カッセル、クローディーヌ・オージェ、ミシェル・デュショッソワ
作品データ:フランス/1967年/92分/BD

ステッペンウルフ/荒野の狼
監督:フレッド・ハインズ
出演:マックス・フォン・シドー、ドミニク・サンダ、ピエール・クレマンティ
作品データ:アメリカ=スイス/1974年/107分

サマーキャンプ・インフェルノ
監督:ロバート・ヒルチック
出演:フェリッサ・ローズ、ジョナサン・ティアースティン
作品データ:アメリカ/1983年/84分/BD

墓にツバをかけろ
監督:ミシェル・ガスト
出演:クリスチャン・マルカン、アントネッラ・ルアルディ、フェルナン・ルドー
作品データ:フランス/1959年/104分

マルキ
監督:アンリ・グズヌー
声の出演:フランソワ・マルトゥーレ、ヴァレリー・クリン、ミシェル・ロバン
作品データ:ベルギー/1989年/84分

探偵スルース
監督:ジョーゼフ・L・マンキーウィッツ
出演:ローレンス・オリビエ、マイケル・ケイン
作品データ:アメリカ=イギリス/1972年/138分

リベンジャーズ・トラジディ
監督:アレックス・コックス
出演:クリストファー・エクルストン、エディ・イザード、デレク・ジャコビ
作品データ:イギリス/2002年/110分

ムーンフリート
監督:フリッツ・ラング
出演:スチュアート・グレンジャー、ジョージ・サンダース、ジョン・ホワイトリー
作品データ:アメリカ/1955年/86分
『奇想天外映画祭2026』アンコール上映

絵金生誕150年記念アンコール上映
闇の中の魑魅魍魎
製作・監督:中平康 脚本:新藤兼人 音楽:黛敏郎
出演:麿赤兒、扇ひろ子、岡田英次、加賀まりこ、稲野和子、土方巽
1971│日本│カラー│110分│DCP

アンコール上映
肉体の悪魔
監督・脚本:ケン・ラッセル 美術:デレク・ジャーマン
出演:オリバー・リード、ヴァネッサ・レッドグレーヴ
1971│イギリス│カラー│113分│BD
悪夢のハッピー・エンド
柳下毅一郎(映画評論家)
ポップ! キュート! 奇想天外映画祭についに摩訶不思議なコミックの世界がやってきた。もともとシュルレアリスムの隣接ジャンルとして発展してきたコミック表現は、奇想天外なるものと親和性が高いのだ。現実を誇張し、拡大し、戯画化し、コミック表現は生まれる。誇張を重ねた結果、最終的にはやりすぎるところまでたどりついてしまう。それが奇想天外な映画の世界なのだ。
それが『ミート・ザ・フィーブルズ』である。
いまや押しも押されぬ大監督となったピーター・ジャクソンが、まだニュージーランドの一介のホラー監督だったころ、自主製作ホラー『バッド・テイスト』に続く第二作として作ったのが可愛い動物のパペットがぞろぞろ出てくる人形劇『ミート・ザ・フィーブルズ』なのである。ジム・ヘンソンのマペット人形が大人気だったときに、その向こうを張ってジャクソン版のマペット映画を作ってみせたのだ。ただし、全年齢対象のジム・ヘンソンのマペットにはできないことを、ジャクソンのマペットはやってしまう。タブー破りのマペットたちは、セックスもすればドラッグも嗜む。ヤバい病気にかかっているのもいれば、刃傷沙汰も起こる。血も反吐も汚物もたっぷり出まくり、およそ『セサミ・ストリート』の清潔な世界からはほど遠い。だが、この汚物を投げ合うような世界こそ、大人が眉をひそめる子供っぽさが全開になった正しくコミック的なありかただと言えるのだ。実際カマトトなミス・ピギーより、マシンガンを構える看板女優カバのハイジのほうがいい、という子供も少なくないだろう。
さらにコミックの恐ろしさを教えてくれるのがフランス映画『コミック・ストリップ・ヒーロー』である。パルプ作家ピエールのところにやってきた男ボブは、自分は秘密諜報員であり、ピエールが書いた冒険小説に出てきたような奇想天外な冒険をやってきたのだと主張する。最初は面白がっていたピエールだったが、彼をモデルにした冒険譚を書きはじめたあたりから、様子がおかしくなってくる……
売れっ子BD作家ギィ・ペラートのコミックも楽しめる『コミック・ストリップ・ヒーロー』は、コミックの魅力と同じくらいにその魔力も教えてくれる映画である。コミックに没入し、その主人公になる=コミック・ストリップ・ヒーローとなるのは、実はとてつもなく恐ろしいことなのである。いまやハリウッドもコミック映画ばかりになってしまった時代。コミックには終わりはなく、ヒーローは決して死ぬことはない。ハッピー・エンドとも思われる結末は、実は終わりなき悪夢のはじまりなのかもしれない。
